税務相談ブログ

2012年12月12日 水曜日

個人事業主の勘定項目「事業主借」と赤字について。損益計算と個人への返済とを混同しているケ-ス。

季節柄かでしょうか...
確定申告に向けてのご相談が増えています。
今回も、早速ご紹介いたします。


 現在、サラリーマンを本業としながら、今年の9月に今後の独立を考えて事業を興しました。
 税務署のすすめや簿記の勉強を少ししていたこと、PCソフトが整っていることから「青色申告」にしました。
 しかし、何点か不明なことが出てきましたので質問します。

 【質問1】
 開業資金として自分の貯金から事業用資金として入れた場合
 [借方]現金 ○○円 [貸方]事業主借 ○○円でよろしいのでしょうか?

 【質問2】
 当初入れた事業資金が底をつきました。まだ売上がありません。なので交通費などの経費を支払うのは個人の財布から持ち出して支払っています。
 この場合はその都度
 [借方]旅費交通費 ○○円 [貸方]事業主借 ○○円とするべきなのでしょうか?
 それとも、[借方]旅費交通費 ○○円 [貸方]現金 ○○円として赤字を積んでいくべきなのでしょうか?

 【質問3】
 いずれにしても個人のお金を持ち出している事になるのですが、売上が上がれば「事業主借」分と赤字分は個人へ戻しても良いのでしょうか?

 【質問4】
 決算を赤字でした場合、翌期の繰り越しは「赤字」からのスタートとなるのでしょうか?「0」からのスタートとなるのでしょうか?

 【質問5】
 前期で赤字になった分の個人からの持ち出し分は、翌期では戻ってこないのでしょうか?
 (翌期末の決算時に、前期赤字分との相殺によって戻ってくるのでしょうか?それとも、期中でも戻すことは可能なのでしょうか?)


 質問1
 おっしゃる通りの仕訳で構いません。
 ただ、まとまった金額の入金でしたら、事業開始時に「元入金」勘定を使用してもよいと思います。
 どちらでも、差し支えないと思われます。

 質問2
 開業資金がたっぷりあり、現金勘定がマイナスにならないのであれば、後者の仕訳で差し支えありません。
 但し、現金勘定がマイナスになるようであれば前者の仕訳をせざるを得ないでしょう。
 
 

 質問3
 おっしゃる通り、売上があがって帳簿上、現金又は預金があり、事業に貸した金額は個人へ戻しても差し支えありません。
 帳簿上、現金勘定がマイナスにならないよう、注意してください。

 質問4
 その場合、損益勘定は0からのスタ−トとなります。
 ただ、赤字を出したなら、所得税の申告のう上で、給与所得との損益通算ができます。
 控除し切れなかった赤字は3年間繰り越して、翌年以降の黒字と相殺ができます。

 質問5
 翌期に現金又は預金があれば自由に返済は可能です。
 決算の黒字、赤字と別に帳簿上、現金又は預金の残高があれば個人へ金銭を戻すことは自由です。

 (損益計算の黒字、赤字と、事業主がその事業に投資した金銭の返済を混同されているようですね。両者は全くの別物ですのでご留意ください)
 個人事業ですので、帳簿上、現金又は預金の残高があり、その金銭を個人へ返済しても損益計算には影響がありません。

ご理解いただけたでしょうか?
ちょっと長い説明になりましたが、個人事業主は損益計算もしますが、黒字、赤字に関係なく、帳簿上(実際にも)現金又は預金があって、個人へ返済しても運転資金等が足りるのであれば、返済するしない、又はその金額については自由です。

そろそろ、年末調整も佳境に入っています。
年明けより、法定調書等作成、そして確定申告に入っていきます。
体調には十分気をつけます。(ましょう!)
川崎市宮前区鷺沼、税理士 五味英樹事務所の税務相談ブログでした!




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投稿者 税理士 五味英樹事務所

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